前回のブログに引き続き、絵ものです。このところ筆者の古い趣味が再燃焼したため研究ブログというより、同人誌ブログ的になってますが… ぜひお付き合いください(*ノ∀`*)ゞ
研究要素もちゃんと盛り込んでいます。
ということで、今回の「日誌」です。
今日のトビラ絵のモデルはソクナ・マンジャーラ・ブソー(1833–1866) という女性(ソクナは敬称)で、ムリッド教団を創始したアーマド・バンバの母です。セネガル人でよくマンジャーラという名前の女性がいますが、この方が由来です。彼女にも奇跡の話などがいろいろありますが、またいずれ本編で・・・。本人といわれているこの写真をモデルに描いてみました。
ここでまんがの前にテーマの「タルビーヤ」について、イスラームの神秘主義について…簡単な説明を書きましたのでまんがをすぐ読みたい方はスキップしていただいて大丈夫です。
(ただ、「?」だらけにならないで読むためにちょっと大事な情報もあるので、読んでいただけたらうれしいです)
今日のテーマはこの連載もの題にした「タルビーヤ」についてですが、タルビーヤの語源はアラビア語でタラバ、「学ぶ」という意味です。「タルビーヤ」は神秘主義に限ったことばではなく、イスラーム教について使うときには、コーランを学び、イスラームの教えと義務を実践していくことを指します。
このまんがの題材になっているのは、イスラームの中でも、スーフィズム(神秘主義)と呼ばれるグループですので意味が少し変わります。(前回触れましたが、「教団」というのはセクトというよりかは、「寺」に似た信者の精神修練、神に近づくことを目指す集団です)
タルビーヤには3つの段階があります。「イスラーム(身体)」、「イーマーン(理性)」、そして「イフサーン(霊魂)」です。長くなってしまうので今後まんがや本編でゆっくり紹介するつもりですが、最終段階といわれている「霊魂の知」(イフサーン)に行きつくためには、頭を使って学習することも、体を使って礼拝や労働をすることも、プロセスとして大事なのです。…というのが今回の2つのショートエピソードのテーマです。
今回のお話しに若い教祖さま、マム・チェルノ(正式には Mame Thierno Birahim Mbacké)(1862-1943)という人物が登場するのですが、(ムリッド教団創始者であるアーマド・バンバの弟です、10歳ぐらい年の差がありますので、この設定ではバンバが30歳、マム・チェルノは20歳くらい)
ちなみに元の写真はこちら(右手に座っている人物です)
彼のように幼いころから宗教を突き詰めている人にとって、礼拝や断食など、体を通したイスラームの義務はできて当たりまえ、そこから心と霊魂を通した「神の知」に至るまでの精神修練を「タルビーヤ」と呼んでいます。
神の知は無限といわれているので、どんなに頭がいい人間でも、努力してやっと知りえるのは大海の一滴にすぎない、とも言われています。セネガルの神秘家(スーフィ―)達は、この神の知を大海に例えて、ウォロフ語で「ゲジュ・ハムハム(知識の海)」といいます。神秘主義の道に入ったスーフィたちは、これを学び続けることで、ファナー(神との合一)と呼ばれる「悟り」に似た瞬間を目指すのです。
※イブラ・ファルに関する説話は沢山あるのですが、とにかく師(シェーク・アーマド・バンバ)に絶対服従したことと、体力もすごくて力仕事を厭わなかったことが知られています。
お付き合いいただき、どうもありがとうございました!
短いコマものですが新しいキャラも導入するので次回も楽しみにしていてくださいね!
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